2015年2月6日金曜日

カニのあし 熊谷みずほ


森林浴ブログをご覧の皆様、はじめまして!
今回「カニのあし」@大大阪舞台博覧会に出演させていただきます熊谷みずほと申します。
関西を中心にお芝居したりしなかったりしています。以後のお見知り置き、是非ともよろしくおねがいいたしますね!


さて、ご存知のお方もいらっしゃると思いますが、今回の脚本「カニのあし」は再演です。
去年の8月に、森林浴の本公演で上演されたお話です。
そしてその時のキャストであるYAKOさんが、同じハサミ役で今回も出演されます。
にもかかわらず、一度目の稽古で既に前回とはまるで違ったものが出来ました。あれれ?


確かに前回公演とはまた違うモチーフを演出の大休さんから役者へ伝えられてはいたのですが、私自身前回公演でいも虫役をした玉澤さんに引っ張られてもおかしくないなあと思っていたのに、その心配はどこへやら。
「カニのあし」の初演をご覧いただいたお客様にも、いやむしろ初演をご覧いただいたお客様が特に楽しめる作品が既に出来つつあります。


何故こんなにガラッと違う作品に色を変えることが出来たのか、それは脚本の力がかなり関係しています。
ハッキリ言ってこの台本、誰が読んでも意味不明です。
個人的には大休さんが読んだ時にスラスラ解けるのかすら怪しいと思っています。

「そんなことない! 大休さんの書く本のセリフは私の日常会話と何ら変わりないわ!」

そういった方がもしいらっしゃったらすみません。(そしてとりあえず大休さんに連絡してみてください。)
幸いわたくしはそういった方とこれまで出会ったことがないので、森林浴のコンセプト通りわからないものとして今回の台本を処理させていただいております。


多少話がそれましたが、とりあえず意味がわからないんですね、この台本。

それでいて魅力的で、わからないけど「わかるような気がする」台詞が散りばめられているのです。

その台詞がどれかは受け取り手によって全く違い、重さも温度も手触りも、一人一人の感受性のまま大きく変化し、存在します。
だから演者が変わればまるで違うお話に、お客様が変わってもまるで違うお話に、スタッフさんが変わっても、演出家が変わっても、関わる人1人の違いで、何万も何億ものストーリーにな変化するのです。


今回で二度目のハサミになるYAKOさんは言いました。
「この本は私にとってすごく好きな本」であると。
その気持ち、きっと本番が終わった後に、わたしも痛い程感じる気がします。


大切なものをたくさん込めます。
でもそんなことはあまり気にしないでください。
わたしを通して、「カニのあし」を通して、あなたの中の大切なものを観に来てね。
あなた自身の声を聴きに来てください。

2月21日、芸術創造館でお待ちしてます。


いも虫役 熊谷みずほ 

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