2016年11月29日火曜日

バーチャル應典院イントロダクション

バーチャル應典院 イントロダクション
絵本「指紋町の人々」案 より
ヤギの夫婦

ぼくたちを知らない人にとって、ぼくらは存在しない。

わたしたち、こんなにここにいて、愛し合っているのに?

こんなにここにいて、愛し合っているのに、だよ。

変だよ。私は物質で、あなたも物質のひとつなのに。だってこんなにも暖かいのよ。

ぼくにとってお前はここにいるけど、お前にとってぼくが本当にここに存在するのかはわからない。

え、そんなこと言わないでよ!
あなたはここにいるよ!

これはただのセンチメンタルではないのだ。ぼくたちがここに存在するために、ぼくはこの指紋町をテーマパークにしなきゃならないんだ。

うん。この町を楽しんでもらって、どんどんここの町のことを知ってもらわなきゃ。

しかし、町の人はどうかな。

いいよ、わたしたちでこっそり知ってもらおうよ。みんな観光には疎いんだから。

いや、こっそりはよくないよ、おまわりさんがここの観光客に対して厳しいだろう?

そうね、みんなティラノサウルスに食べられて、クラウンを巻き上げられているわ。

ぼくたちを知ってもらうにはどうしたらいいんだろう。

ね、最初のうちだけでいいの。こっそりはじめようよ。ね。

うむぅ。

あのね、私いいこと思いついたの。
観光にきたお客さんに、ここの住民のフリをしてもらうの。

え?たとえば?

仕事してもらうとか、お店で物を買ってもらうとか!今そういう現地体験型の観光が流行っているのよ。

そうなのか!ぼくはね、そういった最新情報には疎いんだよ。

それでね、写真を撮ってもらっていいようにするの!

え、それは、ここの人たちに同意をとらなきゃ。

じゃあ、同意をとりましょ。そこからはじめよ!

うん。それくらいからなら、ぼくも動ける気がしてきた!

やったね!あなたは存在する。
だから、あなたのやりたいことを今、出来ることから具体的にやっていきましょう!

ぼくはきみのそういったバカでないところが好きだよ。

男尊女卑ね!ただの役割分担でしょ!?

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〜こうして、ヤギの夫婦は指紋町をテーマパークにするべく立ち上がった。

あなたも港へ着いたら滞在費を支払って、指紋町で住民のフリをして遊びましょう!〜

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